鈴木氏との秘密


もう二十年も経ってしまった。京浜工業地帯を望む私達が当時住んでいた寮の部屋は狭い2DKだった。

私は大の練習嫌いで自分自信にいつも負けてしまっていてた。
週一度の練習会も次の練習会まで全く一度もカバンからお人形出す事をしないので、
髪はにおうし、カチカチになってしまっいました。
そんな私に優しい同期の山ちゃんは「しょうがないねぇ」と言いながら水をかけて一緒に髪をほどいてくれた。

カラー巻きの試験はとにかく私にとって壁であった。
一本目の巻き込みを誤ると全てがずれてしまい、上手く全体を巻き収める事が出来ない。
もうやけになっていて練習もしないで煙草ばかり吸ったり、高校の同級生に愚痴を聞いてもらっていた。
そんな時、鈴木先輩が゛「さとちゃん、これを成し遂げないと次にすすめないよ、今はこれをやらないと駄目なんだ、
俺がどうしてもこれを教えるから、がんばって覚えて」と言われた。
当時の直属の勉強会担当の指導者でも無かった鈴木さんの言葉は戸惑ったが心の中ではとてもうれしかった。

時計は20年という時間を簡単にすすめる。
常に悩みを持ちながらも私は青葉台に二軒のお店を出していた。
ふと、過去を振り返ると、今の私があるのはあの時鈴木さんや山ちゃんが指導してくれたからだ、
今どうしているだろう?と。
calmの持ち味でお客様にも好評なアーユルヴェーダーの知識とヘナとハーブを、是非鈴木さんに紹介したいと
衝動的に思った私はもう東名を飛ばしていました。
今、山ちゃんと鈴木さんは夫婦になっていて二人のお子さんに恵まれて小田原近くでお店をやっています。

鈴木夫婦は再会を喜び、最初は半信半疑の私の行動とヘナを受け取られたのでしたが
、いつしか私の本心をわかってくれました。
「いいものはいいんです、本物は違うんです」私はいつしか20年前に彼らに受けた恩を別の形にし、
熱い1人の美容師として正直に語る事の出来る人間となっていました。

こうして今はお互いに刺激し合う美容師としてのお付き合いが再開したのです。